活動内容

3人の認定事業再生士をはじめ、各分野の専門家が集まったNPO首都圏事業支援機構は、事業再生案件を扱うだけでなく、スキルを磨くプロフェッショナルセミナーを定期開催するとともに、新たな人材育成にも注力しています。

他社の座礁案件もカバーするプロフェッショナル集団

非常に高度な専門性を持つ会員が揃っているNPO首都圏事業支援機構には、企業から直接受ける相談以上に、事業再生を独自に手掛けることのある会計事務所やコンサルタント等「事業再生のプロ」から相談が集まってきます。一般的なものよりも難しい案件や、手掛けてみたけれど失敗した「座礁案件」も少なくありません。

事業再生よりも報酬を優先としたコンサルタントや大手コンサルティング会社は座礁案件が発生する頻度が多く見受けられます。大手コンサルティング会社には金融機関出身のコンサルタントが多く所属しており、そのために特定金融機関と深いつながりを持っている場合もあるのです。すると、債務者側ではなく債権者側に立ってしまいます。そのせいで、せっかくの事業再生の取り組みが債務者側にとって価値のないものになっていることがあるのです。

例えば、実際にNPO首都圏事業支援機構が手掛けた案件にも大手コンサルティング会社が1度は事業再生を試みたものの、失敗したというケースがあります。その案件ではまずリスケジュールが行われました。金融機関と合意し、再スタートしてみたものの上手く回らないということで、NPO首都圏事業支援機構の会員に相談が来たのです。リスケジュールの内容を見直してみると、そもそも支払い計画が間違っていました。債権者側に立ってしまうと、金融機関から「その条件はのめない、せめてこのあたりで」と提示されたものを受け入れてしまうのです。実際にはフリーキャッシュがそれほどないのですから、いくらリスケジュールしても状況は改善しません。

この案件の場合はNPO首都圏事業支援機構の会員が再度リスケジュールした上で、対象地域の中小企業再生支援協議会を通じて地元金融機関と話し合い、会社分割を行うことで事業再生ができました。グッドカンパニーを息子に譲り、バッドカンパニーの責任を父親が持つというかたちです。2008年末の、既にファンドや大手金融機関が融資できない状況の中、中小企業再生支援協議会を通すことで、心ある地元の金融機関の助けを得ることができました。

こうした座礁案件は、最初から事業再生に取り組むよりも難しい面があります。金融機関側も1度は合意したのだから条件を守って欲しいと考えるのは仕方ありません。しかし状況をきちんと説明し、理論立てて落としどころを提示することでリスケジュールを実現します。そして、中小企業再生支援協議会を通すことで透明性も確保でき、経営者にも金融機関にも納得してもらえるかたちになるのです。私たちは特定金融機関とのつながりがなく、また事業再生士(CTP)の倫理規定に沿って中立の立場で行動するため、債務者がきちんと事業再生を実現できるスキームが提供できるのです。

専門家が集い、案件を推進するNPO首都圏事業支援機構は債務者側に立ち、新に必要な再生に向けて活動しています。

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